riumatiのブログ

高齢者医療専門医の女医がリウマチになり体不自由になり犬と生活しています、医療、生活など病にかんすることから医療界についてなど発信しています

健康保険法改正により後期高齢者医療はどう変わるか?わかりやすく要約してみた

 

 

閣議で健康保険改正案が承認された。主な変更は

1、マイナンバーが保険証の代わりになる

2、介護、医療の情報の共有

わかりやすく説明すると、健診、介護、医療情報が市町村で連結されて情報管理される。

デメリット

個人情報がすべて連結されるので、漏洩などの危険

保険料未納のかたとかしられたくない情報も情報が共有される。

メリット

独居の高齢者のかたの把握ができる。死亡してからきずかれるまでひと月もかかったという例が最近ある。連携しているとどこかで危険が察知できるかもしれない。

 

健診や医療、介護連携することでデータ分析ができるようになる。どんな分析か簡単にご説明

ある教授が既にデータ分析したことで面白いことがあったのでとりあげる。認知症のかたが入院したばあい、入院後肺炎を発症する割合が30パーセントだそうである。

後期高齢者認知症で入院されると動くことがすくなくなる。生活全般の機能がおちる。これをADLの低下と医療関係者はいう。

超高齢者が入院すると、データ解析のように飲み込みわるくなり誤嚥性肺炎もおこりやすい。ついでに尿路感染もおこりやすい。抗生剤を何種類も投与されると多剤耐性菌つまり抗生剤がきかなくなる菌を高齢者は、保有することになる。MRSAが痰や血液の培養から検出されましたと医師からきいたことないだろうか。MRSAとは、わかりやすくいうと抗生剤がきかない菌である。感染症学会では、それよりもっとたちのわるい菌も抗生剤乱用の結果生じたことが報告されていた。

ところで厚労省の担当者がのべた、以下の文書をご存じであろうか?


後期高齢者の診療報酬体系の必要性
 年齢別に見ると、一番医療費がかかっているのが後期高齢者であるから、この部分の医療費を適正化していかなければならない。特に、終末期医療の評価とホスピスケアの普及が大切である。実際、高額な医療給付費を見ると、例えば、3日で500万円、1週間で1,000万円もかかっているケースがある。
 そうしたケースは、終末期医療に多くある。後期高齢者が亡くなりそうになり、家族が1時間でも、1分でも生かしてほしいと要望して、いろいろな治療がされる。それが、かさむと500万円とか1,000万円の金額になってしまう。その金額は、税金である公費と他の保険者からの負担金で負担する。どちらも若人が中心になって負担しているものである。
 家族の感情から発生した医療費をあまねく若人が支援金として負担しなければならないということになると、若人の負担の意欲が薄らぐ可能性がある。それを抑制する仕組みを検討するのが終末期医療の評価の問題である。
 また、後期高齢者の場合は、高額な医療費を使っても亡くなられる事例が多い状況がある。癌で苦しまれている方を含めてホスピスケアで、できるだけ心豊かに亡くなるまでの期間を過ごしてもらう仕組みが必要である。単純に医療費だけの側面だけではなく、その方の幸せの側面からも考えていく必要がある。

非常に読解が困難で素人にはわかりにくいから要約した。

ようするに後期高齢者の終末期はお金がかかる。家族が一分でも長生きさせたいのはわかる。しかしこの医療費は500万から1000万かかる。これは税金などの公的負担からだされるので若いかたの負担になる。心から豊かに終末期を過ごしましょうということである。

これだけ読んたら国は高齢者に冷たいになるであろう。

 

一般のかたは、びっくりなさると思うが、このような文書が厚労省からだされたことも現場の医療関係者はしらないかたが多いと思う。

心豊かに終末期を過ごしたいはだれでもそう願うと思う。そのためにどうしたらよいかは、上記の教授のようなデータ分析が医療、介護の情報の共有化ができたらしやすい。

医療、介護のデータ解析がもたらす利点

私が超高齢者医療の延命治療について話しても家族感情があるからご理解がご家族にむずかしいことのほうが多い。一分でも長生きしてほしいと思うのは家族感情として常であるからである。

データとして認知症のかたが入院したら30パーセントは肺炎(ほとんどが誤嚥性肺炎だと思う)になるとかの裏づけがあると納得されるかたがふえる。

結論

超高齢者自身が望まない終末期の医療をうけない方向に今後はいくと考える

救急車でのせられ運ばれてくる認知症の超高齢者のかたが本日の閣議決定の健保改正で減ることは必至だと考えたい。入院して、あちこち管をさされ身体拘束され苦痛にあえいでいる超高齢者が減ることだけを願いたい。