医師の妻になりたいなどおやめなさい、医師は肉体労働者です
2040年、医師過剰時代
前回の記事で紹介した萩原博子さんの著書に医師過剰の話があった。医師が介護社会を将来ささえることになるだろうとあったがそうなるだろう。
医師が高学歴で高収入と一般のかたが思っておられるがそうではない現実そうではない実情は以前の記事に書いたのでご参照ください。
以前も記事で書いた困ったおじさん医師たちは、21年後にはさすがに現場におられないだろう。私もいない。
しかし私が一番懸念しているのは、若い医師のことである。専門医制度がかわったからである。
医師になるのに最低11年かかる時代
医師になるには、医学部6年でて前期研修医2年、さらに後期研修医3年してやっとこ一人前になる。全体で最低11年かかる。
いまでも前期研修医終了をなんらかの事情で終了できなかったら、医師免許あっても医師ができない。
将来は後期研修医終了して専門医の資格とらないと医師免許あっても医師ができないことになるであろう。
以前の記事でもかいたが金持ちになりたいとか安定した生活送りたいとかで医師を志すと途中で挫折する。
昔の過酷な研修時代
私の世代は、研修医終了していなくても医師ができた。私は研修医終了しないと危険だと父にいわれてしぶしぶ大学で研修した。当時の研修医は、非常に過酷で、別の大学で研修していた同級生は過労で亡くなった。
大学で研修したのだがだいたい一年目で脱落者がでて彼らは研修医終了せずさった。
私の研修医時代は今の研修医とちがい手取り賃金、月に3万から5万であった。研修させていただいているので賃金などとんでもない時代だった。
教授は研修したいなら親に生活費もらえというかたもいて奴隷かとおもったほどきつかった。
当時では珍しく、全科研修する制度であった。当時よりプライマリ医をめざす画期的研修プログラムだったが、休日など一日もなかった。医局でまくら抱え男性のなか転がって仮眠とってくらしていた。
大学病院のなかに美容院から郵便局、銀行とすべてあったので病院の外に研修医のときでたことなかった。家など帰ったこともない日々だった。
救急に配属されたら48時間連続勤務など当たり前の時代だった。私が研修うけた大学は将来精神科めざす医師も救急は2か月研修していた。
その時の経験は非常に今役立っている。しかし肉体はぼろぼろだった。
研修医終了したとき、同期の女性医師と我々生き残ったよと抱き合ってよろこんだのを覚えている。
過酷すぎるので待遇が改善されいまの研修医は労働者とみられていて生活保障はされている。同世代のかたにきくと過酷な研修医していないといわれるかたも中にはいたようだ。
昔は研修医は義務ではなかった
ところで、私の世代は過酷な研修医をするものと研修などせず、すぐに診療はじめるものにわかれた。
個人的には研修しないで医療現場にいった医師は危険だと思う。
だれにもならったことがないのに患者を自己流でみていることになる。医学部では学問しか教えない。実践を教えるのが研修医である。
世渡りやはったりがうまい医師は、研修医終了していないのに出世していたりするのは世の中の常にある
が患者には、だれがきちんと研修終了してきたかは、よくわからない。わからないときは、ネットなどで医師の経歴をみたらよい。
そういった困った医師がいるので国はきちんと勉強してから臨床の現場に医師をだす方針である。
医学部を8年にしたらどうかの案もある。
これからのかたは医師だけでなくどの職業も人口へるので大変である。生き残るためには創造性、発想力が必要である。
過疎地域にはプライマリ医(総合診療医)必要
医師不足は過疎の地域では深刻である。総合診療医でないと過疎地域の医療はむずかしい。
プライマリケア医はいらないとある著名人がいっていたが、過疎地域ほどなんでもみれるプライマリ医、総合診療医が必要である。
医師過剰時代になったら過疎地域に医師も増えるだろう。
都会では、医師不足といいながら医師はいっぱいいる。が介護、福祉、高齢者医療を専門的に真面目にやろうという医師はやはり少ない。
在宅クリニックで荒稼ぎする医師までいる。美容整形の世界は、自由診療なので比較にはならない。自由診療は税の投入はないからである。
医療は税金が投入され健康保険で運用されているので保険診療をおこなう医師はそのことを意識しないといけない。
地域のかたの役にたちたい、高齢者のかたを寝たきりにしないでいきいきした生活になるように手助けしたい若者だけ医師をめざしてほしい。
結論
萩原さんがご本にかかれているように、医師は超高齢者社会にむけ介護の現場とかにいかないといけなくなると思う。
介護保険のシステムは医学部できちんとおしえないといけない。
名医といわれ高齢になっても患者様がしたうかたは本当にわずかである。そういうかたは医療界の宝である。私が尊敬してやまない高齢の先生もいらっしゃる。
医師は本当にいろいろであるから、肩書ではなく自分でみきわめる必要がある。相性があい、地域の評判もよい医師をみつけることが超高齢者社会をのりきることに必要である。
医師になろうとしている高校生、または医師の妻なら勝ち組とかんがえているあなた、もう医師は勝ち組などではない。
7割が頭脳労働者ではなく、肉体労働者です。