リウマチに感謝、在宅医師はみた人生の裏事情パート3
私が在宅医療はじめたころは、ほとんどがお嫁さんたちが高齢者を介護していた。
だんだん様代わりして夫婦二人の老々介護になり、今では、団塊の世代の男性が90過ぎの母親を介護しているケースがかなり多くなってきた。
この息子たちが結婚歴がほとんどなくあっても現在、おひとり様なのが特徴である。なんらかの事情で家は一度でたものの、実家にもどり母親とふたりで生活しているケースが多い。
父親が先になくなっているケースがほとんどでたまに老夫婦を息子一人で介護しているケースもある。娘が親を介護しているケースもあるが割合としたらすくない。娘がいても息子と暮らしているケースが多い。
母親側も娘より息子のほうが精神的に楽らしい。息子側からも息子も年金生活なので実家で暮らしたほうが生活が楽ということもある。
母親の年金が息子より高い場合がほとんどである。父親が軍隊とかいっているケースありその遺族年金を母親がもらっているケースがあるからである。
95歳の食事うけつけなくなった母親を元気にしてくれとあちこちの医療機関を受診し、もう寿命ですと医師が70代の息子にいったら訴えるぞとおこってしまわれたかたもいるそうである。お金の問題でなく、母親がいないと天涯孤独になり不安になるのが理由だったらしい。世間はさまざまである。
今は家族にかこまれて最後迎えるかたのほうが少ない。ほとんどみなくなった昭和の光景である。
国の反応はいつも遅れている。2025年問題とは団塊の世代が後期高齢者になる問題である、が団塊の世代はその上の世代をまだ介護しているのであるのでそこに焦点をあてないといけないだろう。親の介護で大変である世代でもある。
介護保険の申請を行っているといわゆる多職種で介入しやすい。多職種とは医師、訪問看護師、ケアマネージャー、ヘルパーなどである。いろんなかたに相談できて介護困難におちいることが少なくなる。
世の中は様変わりしているので情報は個人であつめる必要がある。以前の記事でもかいたが、市役所の高齢福祉課や保健所などに相談して、公的にうけられるサービスなどは確認したほうがよい。
介護保険申請をしらなくて今日も85歳のかたが自費で介護ベッドを購入しようとされていたので、介護保険申請するとサービスうけられるとお話ししたばかりである。安くで介護ベッドがレンタルできる。
介護保険はきちんと払っていますといわれるのでそうではなく、申請してサービスうけましょうと話したらそんなサービス聞いたことないといわれた。
医師でも介護保険のシステムを理解していないかたのほうが多い。私の知人の脳外科医も母親のことで私に相談してはじめてシステムが理解できたとのことである。
市役所でなくても地域に包括センターがあるのでそこに連絡したらおしえてもらえる。わからないかたは、とりあえず市役所にまず連絡したらよい。認定されるかどうかは別にして65歳以上のかたはだれでも介護保険の申請はできる。
このことをしらないかたが実に多い。100歳のほぼ寝たきりのかたが介護申請をしていなかったということもあった。
リウマチになりいろいろかんがえたが私の年齢でうけられるものは高額医療費の申請しかいまのところなかった。
公的サービスでうけられるものはうけよう。国民の権利である。