riumatiのブログ

高齢者医療専門医の女医がリウマチになり体不自由になり犬と生活しています、医療、生活など病にかんすることから医療界についてなど発信しています

終末期医療の医療費をはらえますか?貧乏だから遺言など必要ないは間違い

終末期医療は高額な費用かかるのか

このことについては厚労省のある算出で一か月に1000万かかった高額例あるとされているが平均とは、ずいぶん違う

このブログ書くにあたり平均一日高齢者の終末期医療は平均どれくらいかかるかしらべたが5万くらいだろう。くれぐれもこれは一日である。

自己負担額は各人により違う。

高齢者の終末期医療が国の医療費を財政難にしているのは確かである。有料老人ホームなどにはいっているかたが入院すると、施設の月額使用料もとられる。よってそれも合わせると高齢者の終末期医療の費用は莫大である。

有名な教授が高齢者の終末期医療は、費用がかからないといわれているのをネットで拝見した。あまりに高齢者の経済状況を知らないとしかいいようがない。

日本は格差社会に突入したので、教授はおそらくご自分の周りのご家庭しかみたことないのだろう。

現実はきびしい。

高齢者の親を介護した経験あるかたは、今後の自分のことに不安を募らせる。

病になったらやはり子供たちにどうしても迷惑かける。子供には迷惑かけたくないと願っているかたがほとんどだろう。超高齢者が病になり手術をしたらどうなるか記載したい。

超高齢者が手術うけたら?

超高齢者が病になり手術うけたら、体にうけた侵襲より衰弱してしまう。

このことが理解できないかたにはこう説明する。手にけがしたら傷口がふさがるまで時間かかりますよね。これが超高齢者だともっとかかりますよ。なら超高齢者がガンだからと手術うけたらどうなりますか。というと点滴したらなおると思い込んでいるかたが日本には大勢まだいる。

超高齢者が食欲なくなったら元気でるように点滴してくださいは間違い

超高齢の親が食欲ないので点滴してくださいは間違いだとだれかがいわないと超高齢者が食べなくなると、点滴を一日に何本される。このことにより、肺水腫おこして心不全おこす。そうなると超高齢者は心臓がパンクしてゼイゼイという呼吸になる。

 

脱水より溢水(おぼれた状態)がつらいのですよと患者のご家族にご説明するがなかなご理解いただけないことが多い。血管をあちこちさし、血管がつぶれ点滴できなくなるときがだれでもくる。そうしたら中心静脈から高カロリーの輸液になる。ナースたちは点滴から解放されるので中心静脈になると安堵する。

中心静脈にすることで超高齢者の寿命はかわらない。ご本人は首か股の太い静脈よりさされるので苦痛である。ひきぬかないように身体拘束がされる。

私はどうしても輸液してほしいという高齢者のかたには皮下点滴する。脂肪があるところに点滴するので苦痛はあまりないが最近はそれもせず、枯れるがごとくなくなるかたがすこしずつふえてきている。そのかたたちはきちんと生前に秋野暢子さんのように尊厳死を表明されているかたがほとんどである。

 高齢者の死亡退院がふえている現実

統計みても自宅でなくなりたいかたや、延命処置をしたくない人は7割超える。なのに病院死がいまだに8割こえる。

高齢者の死亡退院ばかりふえる。大きい大学病院などは別にして、中小の病院は高齢者のお看取りの場所になっている。これが医療費の増大する原因である。

しかし高齢者のお看取りを病院がしないかぎり、中小の病院は生き残れない。ベッドうめないといけない。

病院が利益追求すると医療費はふくらみ国家財政を圧迫する。病院が利益追求やめると病院は倒産する。職員などが経済的困難になる。

療養病院が昔は高齢者の受け皿で10年以上入院している人などざらであった。療養病院に勤務していたときもあるが、姥捨て山だとはじめ感じた。

療養病院のスタッフが入院してくる患者様にこのかたもう二度と外にでれないのよと悲しくいったことを覚えている。今はそんなことはなくなってきている。

しかし、今度は超高齢者90代以上になると衰弱してくるので家でも施設でもみれなくなり入院になる。

なぜ救急車に終末期の超高齢者はのせられるか?

人が死ぬことに今のかたは子供のころより遭遇したことがあまりない。若い世代の介護士のかたもあまりないのではないかと。

我々の世代は近所も、家でお爺ちゃん、お婆ちゃんが老衰になりなくなったものである。私たち世代が3世代ですごした最後の世代かもしれない。年をとりなくなることが日常にあった。しかし今の世代は人が死ぬのをみた経験がすくないので怖い。これが救急車よび超高齢者が入院になることが一番大きな理由だと思う。

在宅の患者で最後まで家でとお考えのかたがいた。ご本人もご家族もよくはなしあい、最後まで家でといわれていた。いよいよお亡くなりになるのでご家族も我々も覚悟していた。が突然苦しそうだからと救急車にのせてこられたが救急車到着後30分後になくなられた。

人が死ぬことを頭で理解していても実際に呼吸とかとまりそうになると、救急車をよんでしまうようである。

こういうかたは多い。医師でも95歳の母親がなくなるときに救急車よび救急医に助けろと怒鳴ったかたがいるときいたことある。

施設でお亡くなりになるほうが施設職員はやはり他人なので冷静にご本人の意思ににしたがい対処する。家族だとやはり動転して本人の意思とは違い、救急車をよんでしまう。

 

 

金がないから遺言は必要ないは間違い。

どうやってなくなりたいかきちんと書面とかでのこしておく必要はある。普段あまり接触ない家族があつまり、意見がいろいろでて結局入院になる。この家族間の統一がとれてないことが医療従事者が一番こまることでる。最後は延命処置しますかの医師の問いかけにもめることとなる。

うちは金ないから、死んでもトラブルおきないと考えているかたは大間違いである。死ぬときはどうしたいかきちんと決めておく必要がある。