高齢者がベルトコンベアにのせられ、廃用症候群になるまで
病院のたらい回しが問題になった時期がある。
今は高齢者のかたの生き地獄のベルトコンベア問題がある。
なにかというと、転倒した高齢者を例にあげよう。
家で転倒され骨折される→手術、入院される→入院が二週間ぐらいすぎたら病院の退院調整のかかりがやってきて次の病院にリハビリ目的で転院になる
ここで家にもどしますと家族がはなせばかえれるが、手すりがないとかさまざまな理由で家にかえれない。となると転院になる。
ここからがエンドレスになる。
リハビリ目的の次の病院で、担当医の考え方次第であちこち検査される。
勿論リハビリに熱心な有名な病院もある。
転院先はよく調べる必要がある。
私が尊敬する欧米に寝たきり老人はいないをお書きになった宮本先生ご夫妻がご参加されている、高齢者の終末期医療を考えるという本があるのでご紹介させていただく。
高齢者は、だれでも検査したら悪いところはみつかる。
そこで、日本人が大好きな点滴と抗生剤浸けがはじまる。
なかには前の病院よりきちんとみてくれると感謝する家族までいる。
そこまでいくと、高齢者は身体拘束をされてるから、自分で排泄もできなくなる。
家で介護できない動けない状態になる。認知症も入院のストレスで悪化することもある。
次にまた転院先の退院調整の係りがやってきて、施設か療養病院にいきましょうとなる。
経済力によりちがいはあるが、二度と家にかえれない。リハビリも国により時間きめられており、毎日はできなくなる。
これが老健とかに移動すると、終生はいれない。また係りがやってきて、次の移動場所を提示してくる。
お金があるかたは、この連鎖の途中で介護つき有料老人ホームにはいり連鎖はとまる。
裏事情を記事にする理由はただひとつ、最後まで人は尊厳をもつ生き物だとおもうから。今のやり方では、人は人ではなく、ベルトコンベアにのせられた、たんなる品物である。
つぎからつぎへと移動するうちに、廃人になる。これを医学用語で廃用症候群という。
わたしは、この記事をかきながら泣いている。人ではなく物扱いされた高齢者が日本各地に大勢、いるからである。
経済学者は、しったかぶりで介護保険あるから老後大丈夫ですという。
かれらは、生き地獄をみたことあるのか?といいたい。
かれるように高齢者はなくなると人として尊厳たもてる。
私のような、身分低い女性医師がいくらはなしても、周囲からつぶされるだけである。
しかし、身体拘束、なかには車椅子にしばられている高齢者をみて、胸がはりさけそうで、悲しくて泣けてくる。
病院は入院がへると経営がなりたたない。国は医療費削減もあり、在宅復帰を促す。
医師側も、出発地点の病院以外は、肉体労働者にこれではなってしまう。
ベルトコンベアに高齢者がのせられてくる。言葉は非常に乱暴で謝ります。が医師は、高齢者を初めの病院よりうけとり次へまわす。頭脳労働者とはいえない。日本中、どこも同じである。
転倒→骨折→手術→リハビリ目的で次の病院へ転院→お金あるかたは、有料老人ホーム、ないかたはこのあとも連鎖が続く。
国の偉いかたは、これでよいとお考えなのだろうか?生き地獄のしばられた高齢者たちをご覧になったことあるのだろうか?